念願だった100頭市場!

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前日まで降り続いていた雨が心配された5月の松阪子牛市場。

この日は豊里から過去最高、83頭の子牛を出荷しました!
しかも、松阪子牛市場では始まって以来、初めての100頭超え!!
念願叶いました!!
ひぇ~、こんな日が本当に来てしまうなんて…。

更に5月は年に一度の子牛共進会があり、子牛市場は朝から賑わっています。
私たちも受精卵移植を済ませ、急いで会場へ向かいます。
着いた時には、メスの部の選定をしているところでした。

子牛市場に来るのは何年振りかなぁ…。
繁殖部門で仕事をするようになってから初めてのような気がします。

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で、ついつい気になってしまうのが、やはり子牛の血統。
なるほど、この血統は安定して良い成績なのね、とか、この血統の組み合わせは結構いけるね、とか、へぇ~、この血統に高値が付くの?…などなど。

今日は良いお勉強になりました!
さぁ今後に役立てられるかしら…?

牛舎で大合唱!

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大事に大事に1頭ずつ小部屋でお世話してきたA牛舎の子牛たちも、離乳して大部屋飼いになりました。
かなり大きくなったとはいえ、まだまだ子ども。
今は一日中、
「ミルク欲しいよ~!」
「ミルク欲しいよ~!」
の大合唱です!!
小部屋の頃は静か~に暮らしていたのに、こんなに大きな声が出るんだね~。

ちなみにこの子牛たち、来年の9月に宮城県で開催される全国和牛能力共進会(5年に一度の和牛オリンピック)の候補牛です。

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たくさん食べて大きくなあれ♡

ウシとヒトの攻防

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2年後の全国和牛能力共進会(5年に1度の和牛オリンピック)に向けて、繁殖メンバーで飼育している子牛たち。
離乳までは毎日2回、主に洋子さんと私が手で哺乳していて、水やエサは1頭1頭にバケツを付けています。

9月に産まれたこの子達ももう3ヵ月。ずいぶん大きくなりました。
が、チカラが有り余りすぎて、エサや水のバケツを破壊するのです…(涙)。
このところ、毎日その対策に追われる私たち…。
ここで大活躍しているのが、大型タイヤチューブ!!古いタイヤのを再利用しています☆

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この攻防、まだまだ続きそうです…。

“モーモー病”

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3日ほど前から“モーモー病”にかかってしまった次女。
夕方、太陽の家にお迎えに行くと、
「モーモーいく!」
夕食とお風呂を終えて帰る時にも
「モーモーいく!」
朝、太陽の家に行く前にも
「モーモーいく!」
 
………これだと如何にも牛のことが大好き♡♡♡みたいに思われるでしょうが、実際のところは、まだまだ「かい!(こわい!)」んだそうです(笑)。

さて今日は日曜日。
もちろん、朝から
「モーモーいく!」
あ〜、やっぱり…。
なので今日は午前中ずーっと、子牛の所にいました。
おかげで少しずつ慣れてきたみたい。
初めは私にしがみついて離れなかった次女。
でも時間が経つにつれて、お手伝い(のつもり)が出来るまでに…!!

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何だか“モーモー病”が更に悪化しそうな予感…(苦笑)。

くに絵ちゃん、今日は半日お世話になりました☆

よくばりキャニスター!

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以前、受精卵に関する投稿をしましたが、受精卵は1卵ずつ写真のような凍結用のストローに詰めて(写真のストローは空です)、液体窒素に入った状態で凍結保存しています。

数ある精液と色々なパターンのかけ合せをすることにより、受精卵の種類は膨大になってしまうので、それらを凍結保存する時には、親牛の情報はもちろん、受精卵の番号、ストローのラベルの色、液体窒素ボンベの中のキャニスターの番号、更にそのキャニスターのどの場所に入っているのか等々、全て記録しておきます。

で、使いたい時に使いたい受精卵を選んで融解(解凍)する…と、今まではそれで何の問題もなかったのです。販売を始めるまでは…。

受精卵を販売するにあたり、これからのキャニスターの使い方を考えた時に、まぁ色々と不都合というのか…、“こんなキャニスターが欲しい!”という欲が沸いてきてしまいまして、でも私の要望を全て叶えてくれるキャニスターは見つからず、特注で作れますよと言ってくれたメーカーもありましたが、当然お値段がものすごく高い…。
でも使い勝手や凍結受精卵にとって等々を考えると、私にしては珍しく(!)どうしても譲れないものがありました。

そんなある日、ここ豊里の鉄工所で仕事している鹿野さんに愛和館で会い、「こんな感じの作れませんかねぇ…?」と軽く声をかけたところ、すぐにボンベを見に来てくれて、あっという間にキャニスターを作って持って来てくれました!(改善点は多々ありましたが…)
で、改めて事細かに要望を聞いてもらい、ついについに、完成したのです!!

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これだけで分かりますかねぇ…?
販売する時には5本や10本という単位なので、もう最初からその本数にして、-196℃の液体窒素にも耐えうるガラス試験管に入れて保存しておきます。
口の大きいのが10本入り、小さいのが5本入りです。
凍結受精卵は、液体窒素から出ると急速に質が落ちてしまうので、こうしておけば、ストローを移動する際にも液体窒素から出さず、ガラス試験管ごと移動できます。
優れものですね~!!

鹿野さん、どうもありがとうございます♡

全国に拡がる?!“豊里ブランド”

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ここ豊里肉牛の子牛達は、主に“受精卵移植”によって産まれてきています。つまり、代理母出産ということです。
和牛の場合、体の大きさや肉質などが、ほぼ血統で決まってくるので、求めれているものをより多く生産するために、豊里では20年ほど前から受精卵移植をしてきました。
当時では最先端だったそうです。

一方で酪農業界では、今、性判別精液というのが主に(かどうか分かりませんが…)使われていて、これは90%以上の確率でメスが産まれてきます。
この性判別精液が登場した事で、今までは10頭のメスの子牛を産ませたかったら20頭分の母牛の腹が必要だったのが(メスの確率が50%として)、ほぼ10頭の腹で間に合うようになりました。
そこで、その余った分の腹に(乳牛は子牛を産まないと乳がでないので…)、全国的に増産が求められている和牛の“受精卵”を移植するというのが、今、酪農業界では拡がりつつあります。

ただ、和牛の繁殖農家は年々減ってきているため、受精卵は全国的に不足しているのが現状で、「ヤマギシの受精卵を分けてもらえないか」と、これまで何度か声をかけていただくことがあり、繁殖部門では、そのために着々と準備を進めてきました。

そして11月19日、とうとう“豊里ブランド”(と言ってしまって良いのかどうか…)の受精卵が、全国へ翔く日がやってきました。
わぉ!こんな日が本当に来るなんて…。
この先、どのように展開していくのか、今はワクワクよりもドキドキの方が大きいなぁ…。