餌の話・・その1

皆さん、牛は普段どんな餌を食べているかご存知ですか?

豊里では牛に与える餌について、様々な取り組みがなされています。今日はその一つを紹介したいと思います。

実は牛ちゃん達、あの大きな体に似合わず、すご~くデリケートな生き物なんです。食べ物の内容が変わったり、質が安定しないと、すぐにお腹を壊したり病気になったりします。特に腐ったりカビたりと変質しやすい夏場の餌管理は重要なテーマとなります。

そこで今年から取り入れているのが、発酵飼料です。厳密に言うと以前からずっと取り組んではいたのですが、今年から方法が変わりました。これは殆どの餌のベースとなる基餌に取り入れられています。

詳しく解説していきますね。まず、豊里ではほとんどの餌を自家配合しています。仔牛の段階では購入飼料を多く使っていますが、育成・肥育段階になると殆どが自家配合の餌に切り替わります。そのベースとなるのが基餌の発酵飼料です。この基餌に段階に応じて要素を足していきます。

主となる材料は『おから』です。そう、豆腐をつくる過程で出来るアレです。『卯の花』などで人間も食べますよね。豊里には毎日トラックで大量の『おから』が運ばれてきます。そのおからに、ふすま(麦の糖)やもみ殻・醤油粕などを混ぜて、密閉・発酵させます。

これ自体は前からやっていたことなのですが、以前はサイロに詰めて3日程で使用していました。しかし今年からは、昨年導入した『細断型コンビラップ』を活用したラップロール体系に進化しました。ラップロールの特徴としては、発酵品質の安定・保存管理のしやすさなど利点が沢山あります。

『おから』は水分が多く夏場は変質しやすいのですが、入荷してすぐにラップしてしまうことで無駄なく活用することができ、飼料の質も安定するというので、良いことずくめですね。

現在は1ヶ月半程寝かした物を、毎日必要な量だけ開封して使っています。開けたときには、甘くていかにも美味しそうな匂いがしていますよ。餌を見る機会があれば、匂いも嗅いでみて下さいね。