連日の初競り

1月10日は松阪市場、11日はあいち市場で子牛の初競りがおこなわれました。

松阪市場は、昨年7月から子牛の繋留場所がリニューアルされたのですが、お正月にはこの色がイイ感じに映えてますね。

飼料の価格高騰や、長引くコロナ禍の影響もあって、例年なら1月はメス子牛の価格がピークになるはずなんですけど、思っていたより伸びませんでしたね…💦

それでも、『牛の状態も血統も良いのが多くて悩むわぁ〜』と言ってもらったり、『年末の枝肉成績がすごく良かったよ』と言ってもらえたりして、このところ毎回のように市場に足を運んでは、反省ばかりして帰ってきた身としては、励みになる嬉しい言葉をかけていただきました。

あいちの市場も、松阪市場と同じく価格は控えめでしたが、こちらは3月にピークを迎えるので、次のセリに期待しましょう…。

さぁ、今年はどんな一年になるのでしょうか…。

『いい牛』ってなんだろう…

今日は、愛知県の子牛市場に行ってきました。

豊里からは、今回、15頭の去勢牛を出品しました。

このところ、豊里の子牛を購入して下さる肥育農家さんが増えてきて、市場の中でもかなりの高値がつくようになってきました。

私は去年から、松阪、あいち、関の子牛市場に、ほぼ毎回、勉強のために足を運ぶようにしているのですが、市場の空気を実際に肌で感じることで、学ぶことが非常に多いです。

まぁ、ほとんどが反省することばかりなんですけどね…。

豊里では、和牛子牛のほとんどを、『受精卵移植』によって生産しています。

その受精卵を移植するためには、その前に『採卵』という作業があるのですが、その採卵の計画(掛け合わせなど)を立てるのを私がやらせてもらっています。

この計画が、後々、市場での子牛の価格にけっこう影響するんですけど、一応、いつも『いい牛』を生産しようと思って計画を立てる訳なんです。

ここでいう、私の思う『いい牛』というのは、『高値で売れる牛』なんだと思います。いつもそう思いながら掛け合わせを考えているので…。

じゃあ、ここでいう『高値で売れる牛』って一体何なんだ…という話にもなりますが…

…で、その採卵の計画を立てた約1年後に子牛が生まれて、その子牛を9ヶ月程度飼育してから子牛市場に出品するまでに、トータルで約2年の期間を要する訳なんです。

なので、一応、その時は自分なりにベストを尽くしたつもりでも、2年後のセリでは、「なんでこの掛け合わせにしちゃったかな〜…」とか、「この種雄牛の精液は、この時期に使っちゃダメだよね…」などなど、反省点が多くて…。

それで、肉牛部でも、時々、『いい牛』ってなんだろう…っていう話題になる時があるんですけど、飼育メンバーは飼育メンバーの思う『いい牛』っていうのが色々あって、最近は、そういうのをみんなで考えるのが面白いです。

大きければ『いい牛』なの? でも、この前、すごく大きくて血統も申し分ない牛がいたけど、高く売れなかったよね…、1頭だけ大きくても、購入する肥育農家さんは飼育しにくいのかもね。

ここ2年くらいは、群れの大きさを揃えるっていうのを意識して取り組んできたけど、その効果はありそう、牛の大きさが揃ってるねと市場で褒めてもらった。

やっぱり病気せずに健康に育ってくれるのが一番!

なんか、血統によって体型とか性格とか、特徴があるような気がする〜。〇〇の系統は、性格悪い牛が多い〜、特にメス! (大爆笑)

…などなど ( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )

これからも、『人と共に 牛と共に より良き(善き)をめざして』、その時その時、最善を尽くしていくのみですよね…。

一気に賑やかに

もうすぐ9ヶ月令になるお姉さん達3頭と、もうすぐ3ヶ月令になる子達3頭がいた牛舎に、今朝、5頭の妹達が仲間入りしました。

昨今の和牛の急速な改良によって、子牛の出生時体重もここ数年で急激に上がってきた中で、この5頭は古い古い血統の受精卵産子なので、イマドキの子達みたいにぐんぐん大きくなれない血筋なんです…。

豊里肉牛部では、基本的に8頭ずつの群れで飼育しているので、この子達は、どうしても群れの中で負けてしまうため、私の見ている牛舎で育てましょう、ということになりました。

これまで大部屋で自由に走り回っていたのに、急に個部屋になるという、私達も初めてのパターンなんですが、もうピョンピョン飛び跳ねて飛び跳ねて…、今にも飛び出して来ちゃいそうな勢いです。

しばらくは個別飼いで1頭1頭のエサ食いなんかを見て、みんながしっかり食べられるようになったら、また大部屋にする予定です。

まぁ〜…、それにしても『モ〜!!モ〜!!』と、すごい声量で大合唱してくれるもんだから、一気に賑やかになりましたよ…。

大きくなるんだぞぉ〜(≧∇≦)/

3月の子牛市場

今日は、松阪子牛市場に行ってきました。

3月の松阪子牛市場では、セリが始まる前に、年に一度の子牛の共進会があります。

そのため、私も三女の保育園送りは他の人にお願いして、朝早くから子牛市場で子牛のブラッシングです。

うちの理事も、せっせとブラッシング(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑

審査は、子牛の発育以外にも、体型や被毛の密度、柔らかさ等々、様々な項目があり、今回出品された子牛たちの中で優れている牛が、去勢、メス、それぞれ3頭ずつ表彰されます。

豊里の牛はというと…

去勢の部

2席

3席

((( *´꒳`* )))

メスの部

1席

2席

(≧▽≦)

賞は獲れたものの、まだまだ飼育の課題が見えてきた今回の競り。

私の方も、次回への新たな課題が見えてきました。

翌日の集まりでは、更に良くするにはどうしたら良いか、みんなで意見を出し合いました。

いい雰囲気です( ´艸`)

まだまだ、良くなっちゃいますね、

楽しみです((o(。>ω<。)o))

広い世界へ

種雄牛造成の関連事業で昨年12月に生まれた3頭の子牛たち。今回は、3頭のうち1頭は、念願のオスが産まれました!!

…しかし、この子達、実は、豊里の牛の受精卵ではなく、よその農場の受精卵産子なんですが、依頼を受けて豊里で受精卵移植をし、豊里で産まれて、豊里で飼育します。

オスが産まれると、種雄牛候補として選抜された場合、6ヶ月くらいで、種雄牛を専門に扱っている団体が買い取る形になっています。

この場合のメリットは、メスだったらそのまま豊里で貰えるということと、あとは種雄牛の命名権くらいでしょうか…。

本題に戻って…

これまでは個部屋で飼育していた3頭ですが、今日、仕切られていた部屋を解体して、広い部屋になりました。

生まれて初めて、個部屋から外の世界に出た3頭。

まずは3頭を奥の部屋で隔離しつつ、パパッと個部屋を解体するつもりだったのですが、まぁ3頭が思うように動かない動かない…!

更にそのうち1頭が部屋の外に飛び出して、通路をウロウロ…💦

興奮でパニックになっているのか、今度は、向かい側にいる8ヶ月令のお姉さん牛たちの部屋に飛び込み、あぁ…、もう何が何だか…

o(゚д゚o≡o゚д゚)o

何とか脱走した子牛を元に戻し、他の牛たちも、部屋を解体する間の一時待機部屋まで誘導しようと、再び格闘…

そのうち、1頭が私の手にチュパチュパと吸い付いてきたので、手を振り払おうとするが強く吸い付いて離れない…!

ならばこのまま…と、手を吸わせたまま待機部屋まで誘導すると、なんとなんと、他の2頭もすんなり付いて来るじゃん!!

なんだ…初めからこうすれば良かったのか…

さっきは『あっち、あっち!!』と、押してばかりだったので、“押してダメなら引いてみろ”って、こういうことなのか…?!

そんなこんなで、何とか個部屋の解体も済んで、晴れて広い世界へ出られた3頭。

ミルクも無事に飲んで、こちらもホッと一安心です

ε-(´∀`*)

春日生まれの和牛

今日は、あいち家畜市場で子牛の競りがあり、またまたお勉強のために、私も行かせてもらいました。

話題は一旦逸れますが…

『伊賀生まれ伊賀育ちの伊賀牛』を安定供給するための取り組み、『伊賀市地域内一貫肥育モデル事業』がスタートしたのは一昨年の7月でした。

これは、春日山で飼育している乳牛に、(豊里で生産された)黒毛和牛の受精卵を移植して和牛子牛を生産し、伊賀市内で伊賀牛の繁殖から肥育まで一貫して完結させるというものです。

昨年4月から、春日山で黒毛和牛が続々と産まれてきて、その子牛が伊賀市内の繁殖農家さんのもとで飼育され、メスの子牛は肥育農家さんのもとで『伊賀牛』として肥育されます(伊賀牛は未経産のメスのみ)。

オス(去勢)の子牛は、子牛市場に出品して競りにかけられるのですが、今日、春日で生まれた子牛が初めて子牛市場に登場しました!

今回、初めての出品にも関わらず、4頭の出品牛のうち2頭は、かなりの高値で落札してもらい、出品した農家さんは想定外の高値に興奮して手が震えたそうです。

今日は、春日山からも子牛市場に駆け付けてくれて、ここに至るまでのエピソードや今後の展開についてまで話は尽きず、大いに盛り上がりました。

私もこの事業の中のほんの一部ですが、和牛受精卵の部分で関わらせてもらって、なんだか今日はお腹いっぱい、(幸せな)いい気持ちで帰路につきました。

春日山酪農部の今後の展開も、目が離せません、自分の事みたいにワクワク(ドキドキ…?)します( *^艸^)